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スタートアップ

設立が相次ぐ株式取得型クラウドファンディング事業について

2018/10/02

みなさんこんにちは。藤原です。台風が過ぎ去りましたが、ちょっと川を見に行きたいです。

さて、株式取得型クラウドファンディング事業で、ファンディーノ、エメラダに続いて3社目のサービスができたようです。(エンジェルバンク)
https://techwave.jp/archives/universalbank-unveils-equity-invenstment-clond-fuding.html


未公開企業の株式をプロではない一般投資家に対して募集行為をし販売できるというのは、数年前に法令が変更されたおかげで、ある一定の条件のもとできるようになりました。

ただ、スタートアップにとって1回の調達案件で平均200名程度のプロではない一般株主が一気に生じるという特性上、そのスタートアップの次回以降の調達ラウンドで、VCが尻込みするケースが少し出てきているようです。

特に普通株で募集するファンディーノについては、増えすぎた株主を嫌気され後続のVC調達が上手くいかないということがあり苦労されているようで、結局、後続ラウンドも同じファンディーノプラットフォーム上で行うという荒技で何とかしのいでいるのが現実ではないかと思います。

その点、エメラダは少し上手くて、スキーム自体に有償新株予約権を使うことで、一般投資家はすぐに株主としての権利行使ができないようにし、プロの登場人物を安心させています。さらに、一般募集する案件も、エメラダだけが審査するのではなく、既にプロの投資家が付いている(あるいは付くことが確定している)案件にのみに限定することで、後続ラウンドのプロ投資家に対する信頼度を上げています。

(※但しこのような条件を付けると一気に案件数が絞られてしまい、この事業だけで収益を成り立たせるのは難しくなります。エメラダは彼ら自身がVCであったり、レンディングにも手を広げようとするからこそできることであり、専業でこの条件を入れるのは難しいでしょうね)

今回のエンジェルバンクがどのようなスキームを採るのかは分かりませんが、しっかりと後続の調達ラウンドが通せるようなスキームなり活動なりをされることを期待しています。

確かにシードステージへの出資がまだまだ少ないという課題の解決に、株式取得型クラウドファンディングは有効な手立てではあるものの、そのスキームで調達したスタートアップが後続ラウンドで立ちゆかなくなることが初めからある程度見えているのに、その辺を黙って(あるいは何も啓蒙活動などをせずに)ひたすらプラットフォームを潤わせるために調達させまくるような状況は好ましくありません。

そもそもシード投資をしたいのであれば、足繁く機関投資家巡りをしてLP出資者を募り、シードスタートアップに投資しまくるVCファンドを自ら組成すればよいと思うのですが、それをせずに、プロは投資しないようなスタートアップと、得られる情報に制限がある一般投資家とを無理矢理マッチングさせて、20%にも及ぶ寺銭を吸い上げようとすることが本当に正しいのかというと疑問が残ると思います。

ですのでエメラダがやっているように、プロが出資した(出資する)ことを前提条件に設定することは、この類いのプラットフォームが誠実であるための必要条件であると思います。

ここは3社目ですので、その辺りは十分すぎるくらい考え抜かれていると思いますし、ファンディーノにしてもエメラダにしてもエンジェルバンクにしても、彼ら自身がスタートアップでもありますので、これから試行錯誤も続くでしょうから、同じスタートアップに関わる業界人として、エコシステムが盛り上がるように頑張っていただければと期待しています。(本当です)

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